『黒帯、インドを行く』  

三浦 守 著/木犀社 刊


もっとインドを知りたい方、これからインドを旅行しようと思っている方に必見の一冊が出た!

コメディアンの付き人として、喜劇を目指していた主人公の生活は悲劇だった!!

ひょんな事からインドに渡った彼は、様々な事件に巻き込まれ、気が付けば柔道のオリンピック選手までを育てる迷コーチに? 

涙と笑いの珍道中。

ロサンゼルスオリンピック金メダリスト、山下泰裕氏も推薦。


 すべては、カルカッタ柔道クラブから始まった。虫よけのためにリュックに結わえつけてきた柔道衣が招いたことだった。誘われてのぞいたサーカス小屋のような道場で、インドのチャンピオンを投げ飛ばし、コメディアンの付き人は、乞われて柔道コーチとなる。組み合った人との出会いがまた出会いを生み、気が付けば柔道衣一つで旅することはや十年、すっかりインドに魂を奪われて、アムリトサルに居を構えることになっていた……。


三浦守君は同じ九州で、中学・高校時代に試合でよく闘った。当時から多少問題児ではあったが、その男が、ある日インドへ− いやはやとんでもない体験をしてきたものだ。しかし、柔道がこんなにも奇想天外なドラマを生み出しうるのか。大いに笑い、感動した。彼のやっていることこそ本当の文化交流と、心からエールを送る。

山 下 泰 裕


「黒帯、インドを行く」出版に寄せて

 

  私には変わった弟子が多い。空手二段、柔道初段と二段、ボクシング全日本フライ級チャンピオン、等々。いったい、私をなんだと思って弟子入りして来るんだろう。私は喜劇役者で、塚原ト伝じゃないんだと言いたい。

 三浦守もそんな弟子の一人で、柔道をやっているということで弟子入りしてきた。大相撲の武蔵丸を小柄にしたような風貌で飄々とわが家の門を叩いた。丸々として、どこかひょうきんな顔つきは喜劇に向いていると思い、内弟子に加えたが、七年ほどして一人で歩んでみたいと家を離れた。

 しばらく姿を見せないと思っていたら、柔道衣一着を担いでインドに渡っていたという。まったく、おかしな男である。その後、インドに畳のある道場を建てたいと、苦労を重ねているとのことだ。そして、それまでの顛末を綴って、このたびの出版となった。柔道を通して懐深く入り込み、インド人の心をつかんで、まるで水を得た魚のようにインドで生きる姿には、舌を巻く。これほど文才があったことにも驚いている。読んで楽しんでいただければ、まことにうれしい。

 インドと日本に橋をかける三浦の努力が、うまく実るよう祈っている。

 

由利 徹 


【著者略歴】

三浦 守(ミウラ マモル)

1957年、鹿児島市生まれ。熊本市の鎮西高校で柔道選手として活躍。上京し、由利徹の付き人となり約7年間つとめる。1985年、インドに旅立つ。以来、インド各地で柔道を指導する。1992年に日印友好協会を設立(現在事務局長を務める)。アムリトサルに畳のある柔道場をもつ会館建設を呼びかける。

e-mail:miura_mamoru@aikij.com


日印友好協会
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